
シャトー・ダルマイヤックのブドウ畑は80ヘクタール。4つの丘にまたがり、土壌にはポイヤックを特徴づける魅力のすべてが集約されています。

北側の境界線はシャトー・ムートン・ロスチャイルドと共有し、南向きの日照を享受しています。ブドウ樹の平均樹齢は40年です。
多様性に富み、それぞれ補完性にも優れたテロワールで、ブドウ樹は本来の魅力を存分に花開かせます。
多様性に富んだ畑であるからこそ、時に極端な気象現象が生じた場合でも、それすらも和らげてしまう力を秘めています。ヴィンテージにかかわらず、変わらぬ優美さとクラシカルなスタイルのワインが生まれる所以です。

オベリスク区画の丘
土壌タイプ
深度のある礫質、粘土・砂質の下層
主要品種
カベルネ・ソーヴィニヨン
オベリスク区画の丘は下層部にたっぷりと粘土を含み、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に理想的な環境が整っています。たくましさとエレガンスが印象的な果実に育ちます。同品種はテロワールとの相性からもいわば土着品種的な存在です。
注釈:アルマン・ダルマイヤックは19世紀半ばからカベルネ・ソーヴィニヨンに着目し、同品種を導入しています。
ワインにもたらされる魅力
たくましさとエレガンス

ルヴァンティーヌの丘
土壌タイプ
軽量礫と円磨礫からなる深度のある礫質、わずかに石灰を含む
主要品種
カベルネ・ソーヴィニヨンおよびカベルネ・フラン
土壌の組成からもブドウは地中深くへと根を下ろします。上品な風味のカベルネ・ソーヴィニヨンが育ちます。
同じくこのタイプの土壌で魅了を発揮するのがカベルネ・フランです。作付比率の8% を占め、メドックにおいてはかなり高い割合で使用しています。
カベルネ・フランの平均樹齢は60年。シャトー・ダルマイヤックのシグネチャー的存在です。
ワインにもたらされる魅力
フィネスとエレガンス

ピブランの丘
土壌タイプ
粘土質の下層基盤、表層には中深度の礫
主要品種
カベルネ・ソーヴィニヨンおよびメルロ
カベルネ・ソーヴィニヨンの上質区画が広がる丘です。水不足に悩まされ始める時期も遅く、この区画に育つブドウは織り目の詰んだ優れたタンニンを含みます。
シャトー最高齢のメルロはこの丘の傾斜部に植えられており、粘土を多く含む土壌で品種本来の魅力を存分に花開かせます。
ワインにもたらされる魅力
瑞々しさとたくましさ

ベエレの丘
土壌タイプ
硬化礫、粘土
主要品種
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルド
カベルネ・ソーヴィニヨンとプティ・ヴェルドはもちろん丘の高台、礫質土壌で育ちます。
プティ・ヴェルドはメドック特有のブドウ品種ですが、ワインにストラクチャーとほのかなスパイス感をもたらしてくれます。低地部分は粘土を含み、メルロの栽培に最適で、瑞々しい風味の果実が育ちます。
ワインにもたらされる魅力
たくましさとフィネス

作付比率
52% カベルネ・ソーヴィニヨン
38% メルロ
8% カベルネ・フラン
2% プティ・ヴェルド

栽培方法
栽培に関する基本方針として、その土地、そこに育つ植物を最大限尊重した農法を採用しています。農学的観点から土壌の理解に努め、ブドウ樹の植物行動に最適と考えられる農法を実践します。特に天候条件は作業を決定する重要な基準となります。ブドウ畑においてはとにかく機敏に対応できるよう、手作業や耕耘作業などの進捗状況を個別に管理し、それぞれの区画が本来の魅力を存分に輝かせるためのサポートに徹します。
畑にはカバークロップ(草生栽培)を採用し、動物糞ベースのコンポストを時おり施肥します。ブドウ畑の永続性向上を目指して、土壌内の有機物質の維持に努めています。


土壌の水分および窒素成分含有量など、年の自然状況にしたがって一部の区画にはイネ科の植物の種を蒔くなど、土壌微生物の維持・活性化を図っています。
そのほかにも、ブドウ樹の樹液の流れを改善し、高齢樹の樹勢強化を狙った剪定法を採用するなど、シャトー・ダルマイヤックのブドウ畑の価値と持続性の向上を目指した取り組みを進めています。
収穫時期には定期的に区画ごとに果実の試食を繰り返し、土壌や植物的バランス、そして熟度に応じて最適な収穫適期を決定しています。

