シャトー・ダルマイヤック 2020
アッサンブラージュ
収穫

テイスティングコメント
深みのある赤い外観、真紅の光沢。
焙煎香がほのかに上品に香り、黒果実のアロマが交じり合い、たっぷりと芳醇な香りが生まれます。エアレーションによってアロマはさらに彩りを増し、グリオット種チェリーをはじめとする芳ばしい砂糖菓子のニュアンスが広がります。
口当たりは濃醇で、優れたストラクチュアを感じさせます。完璧な熟度で収穫された果実特有の風味が印象的です。味わい中盤には濃厚な風味とともに、豊富なタンニンが生み出す骨格に支えられたカシスやリコリスのアロマがさらに鮮やかに香ります。 調和のとれた後味と長い余韻。みずみずしい風味が全体をさらに魅力的に引き立てます。

天候状況
暖かかった冬に引き続き、初春も平年をはるかに上回る気温を記録。その暖かさに後押しされ、ぶどう畑では過去数年と比べて10日ほど早い日程で芽吹き(萌芽)が確認されました。3月末には雪まじりの寒冷前線が通過しましたが、幸いにも畑への被害はありませんでした。
その後も平年同時期の春の気温を上回る日が続きました。同時に定期的に十分な量の雨が降り、5月上旬には特に高い降水量を記録しています。 5月中旬以降は高気圧におおわれて暑く乾燥した天候が広がり、植物生育スピードも勢いづきました。ぶどうの花が咲く頃には平年と比べて12日ほど早い生育日程でした。
6月は天候に変化がありましたが、初夏を迎えた途端に熱波が観測されるようになり、7月には特に深刻な乾燥状態に陥りました。
一変して8月には何度かまとまった雨が降り、そのおかげで果実の色づき
(着色)が促進され、果粒も均等に肥大化しました。
収穫を目前に控え、ぶどうは変わらず健全な衛生状態を維持。絶好の好天にも恵まれて気温も高く、いずれの品種も理想的な熟度に育ちました。2020年は記録的な早期収穫です。
シャトー・ダルマイヤックの収穫は9月10日から29日にかけて理想的天候のもとで実施。果実の品質は申し分なく、実にバランスの良いワインが誕生しています。濃密な味わい、たくましくかつ滑らかに溶け込んだタンニン、そしてとにかくみずみずしい風味が印象的なワインです。
収量はさほど多くありませんが、2020年は過去10年の中でも傑作ヴィンテージへの仲間入りが期待できそうです。